• 事務所概要
  • アクセス
  • お知らせ

令和3年4月1日

~テレワークにおける時間管理の実態~

 東京・品川労働基準監督署(尾城雄二署長)は、テレワークにおける労働時間管理や長時間労働の対策状況を把握するため、情報通信業を中心に管内約150事業所の実態を調査した。労働者からの自己申告方式によって労働時間を把握している事業所が約6割と多数を占めている。同方式を併用する形も含め、勤怠システムなどを用いて客観的な方法で管理している事業所は5割強に留まった。長時間労働対策として、深夜・休日にシステムへのアクセス自体を制限している企業は1事業所のみだった。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で導入が広がったテレワークだが、労務管理体制への懸念は残る。同労基署はテレワークの管理状況を確認するため、昨年10月に管内の情報通信業を中心に大企業22社、中小企業116社に実態調査を行い、各事業所単位での回答を得た。
 労働時間管理については、勤怠システムやPCの使用時刻など客観的な記録で把握している事業所は5割程度に留まっている。就業中は相互通信状態を保持し、通信の入切を始業・終業時刻とする管理方法は1割を切った。一方、始業・終業時刻を労働者が自己申告で記録・入力したり、管理者へメールなどで報告するケースが57.7%となっている。
 実施している長時間労働対策について聞くと、深夜・休日にシステムのアクセス制限をしていた事業所は1件のみだった。最も多かったのは、時間外・休日時間が一定数を超えると管理者から注意喚起を行うもので、全体の56.4%を占めている。そのほか、一定数を超えると労働者と管理者の双方のPCにアラートが鳴り、管理者が注意喚起する事業所が10.9%、アラートが鳴るシステムのみ採用しているのが14.1%だった。いわゆる「中抜け時間」の取扱いに関しては、「一律の休憩時間を定め、中抜け時間を把握していない」ケースが25.6%と少なくない。
 同労基署によると、個別訪問のなかで時間外労働が100時間に上っていた労働者を調査したところ、食事や着替えなどの中抜け時間を把握していないケースもみられたという。「労働時間の把握や長時間労働対策には客観的な方法やアクセス制限による対応を取ってほしいが、なかなか難しいのが現状。勤怠システムで労働時間を管理していても、定期的にアクセス記録を確認してほしい」と話している。今後は新型コロナの状況を踏まえつつ、管内企業に対する集団指導の実施を検討したいとしている。




お問い合わせ



TOP PAGE