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令和5年10月1日

~労働者間のケンカによる休業災害を届け出ず送検に~


労働災害で労働者が死亡・休業した場合において、事業者が労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出しなければならないことは広く知られていると思います。この死傷病報告について、労働新聞10月2日号(4面)ではちょっと珍しい送検事案を掲載しています。
事案は、労働者2人の「ケンカ」によって発生した休業4日以上の災害について、事業者が死傷病報告を遅滞なく提出しなかった疑いがあるものです。労働者らは、勤務する農業協同組合の店舗内で業務の打合せをしていたところ、言い争いが過熱してもみ合いになり、そのうちの1人が肋骨を骨折しました。
同農協および同農協の本所課長は、労基署の監督指導を受けるまで死傷病報告を提出していませんでした。労基署によると、「同農協は、言い争いがきっかけのケガは報告しなくて良いと思っていた」といいます。
死傷病報告について規定した労働安全衛生規則第97条では、労働者が「労働災害その他就業中または事業場内もしくはその附属建設物内における負傷、窒息または急性中毒」によって死亡・休業したときに、遅滞なく提出するよう事業者に義務付けています。そのため、ケガが労働災害に該当しない場合であっても、就業中や事業場内などで生じたのであれば、提出しなければなりません。
「当事者間の個人的な理由によるケンカだから…」などと考えて休業災害を報告しないでいると、送検されるリスクがあるので、注意しておきたいところです。

<労働新聞編集>






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