令和7年8月1日 |
~同僚などからのいじめ・嫌がらせにも対応を~厚生労働省がまとめた「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」で、労働者などから寄せられた民事上の個別労使関係紛争の相談内容のうち、いじめ・嫌がらせに関するものが13年連続で最多になったことが分かりました。 令和4年4月の改正労働施策総合推進法の全面施行以降、それまで「いじめ・嫌がらせ」に計上していた同法上のパワーハラスメントに関する相談を除外して集計しているため、3年度以前に比べて「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は減っていますが、依然として2番目に多い「自己都合退職」との間には大きな差があります。いじめ・嫌がらせがあると、職場の雰囲気の悪化や、当事者以外の労働者の就労意欲の低下にもつながる恐れがあるため、企業においては、本人への相談対応などに取り組みたいところです。 厚労省の集計によると、都道府県労働局や労働基準監督署などに設置されている総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別労働紛争の相談件数は、前年度比0.6%減の26万7555件でした。 その内訳は、同僚などからの「いじめ・嫌がらせ」が5万4987件で最も多く、次いで「自己都合退職」4万1502件、「解雇」3万2059件などとなっています。 いじめ・嫌がらせを放置して健康障害を発生させた場合には、企業が安全配慮義務違反を問われる恐れがあるため、注意が必要でしょう。厚労省の過労死等労災補償状況(6年度)によると、精神障害の発生により労災支給決定された1055件のうち44件で、「同僚からひどいいじめ・嫌がらせを受けた」ことによる心理的負荷が認められています。企業においては、同僚によるいじめ・嫌がらせに関しても相談を受け付ける窓口の設置とその周知に取り組むなどして、社内の現状を常に把握しておくことが肝要でしょう。 労働新聞 |
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